夏のはきものおぼえ書き。

洋服でも衣替えを済ませた方は多いと思いますが、きものもそろそろ衣替え。
きものの教科書本によると6月から単衣、7月から夏きもののシーズンです。きものや帯が夏用になり、おおざっぱにいうと9月までは、襦袢、襟、小物までもが夏物になります。

とはいえ、モノによっては夏物にしないで通年使えるものがあるのです。
帯締めで有名な上野の「道明」さんでは、夏用の帯締めを扱っていません。通年使うものという認識でよいかと思います。また草履も、夏用素材、冬用素材があるとはいえ、革の草履は通年使ってよいことになっています。

基本的にわたしは、小物での季節感は度外視して通年使えるものは通年使いたい派。それなのに色や形に惹かれたりして衝動買いしたものがほんのちょっとだけ存在するのですが、先日の衣替えを終えて、「えっとそういえばコレって夏素材なんだけど、いつからはいていいんだっけ?」と不安になったので、確認がてら、夏用のはきものについて簡単にまとめました。

 

【わたしの持っている夏用のはきもの】
・シザールレース
シザールとはアロエに良く似た植物から取れる繊維です。それをレース編みにして草履にしたもの。通気性、耐久性に優れていて、見た目にも涼しいです。
気にはなっていたのだけど数か月の為に必要かな.....と思っていたら見つけてしまったかわいいピンク。お値段もお手頃だったので、買わない理由が見つかりませんでした。

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パナマ
憧れのパナマ
パナマ草という葉の若葉を乾燥させ、煮沸し、漂白し、細く裂き編んだもの。耐久性に優れ、通気性がよく、熱をためにくいのだそう。
廃業された銀座の小松屋さんの草履を探していたところ、出会いました。予算より高くなりましたが、買わない理由が見つかりません。少し地味目な鼻緒がついていたので、ぜん屋さんで鼻緒交換しています。

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あじ
木や竹、草などの植物を、細く薄く加工した物を材料として縦横交互に編んだ物の総称です。日本橋三越をフラついていたら出くわした伊と忠フェア。好きな真田紐で鼻緒をオーダーできるというイベントをしていて、なんとなくの衝動買い。
あまり興味もないまま買ってしまったのだけど、せめて何の素材かを聞いてくればよかったなあ。

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・ビーズ
昭和の時代に流行ったビーズ。作り手も減り、手もかかることから、今はなかなか綺麗なものが手に入りにくい時代になってしまいました。可愛いのに、残念!
ビーズは通年使用できます。が、見た目も履き心地も涼しいことから、夏に好んで使用されることも多いと聞いています。

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【その他のはきものの素材】
夏用草履としては、ほかに、絽を張り付けたものもあるようです。
胡麻竹の下駄は、なんとなく見た目から夏用だと思っていましたが、こちらは通年使用できると、はきものやさんで聞きました。革のメッシュも通年使えますが、通気性が良いことから夏に好まれるとか。

逆に冬の素材として、アザラシ、ハラコなどもあります。
エイや、トカゲなどの爬虫類は通年なのかな~とも思いますが、ものによってはちょっと暑苦しいので、手持ちのトカゲ、ワニ、カメ、オーストリッチは使わずにしばらくお休みかな。

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写真は胡麻竹の舟形草履に、ホースヘアの鼻緒、本天のツボ。
浅草の長谷川商店さんでゲットしました。ビーサンがわりにはこうと思って誂えたものですが、意外と重宝してます。
胡麻竹、夏素足ではくと、ひんやり涼し気です。